ムンビョル"LUNATIC"に対して考えること

お久しぶりです。オタクです。

我が推しグルMAMAMOOのムンビョルさんが約2年ぶりにソロカムバックを果たし、なんと同時期にフィインさんも事務所移籍後初カムバックということで、ムムの皆様におかれましては年明け早々から忙しないオタク生活を過ごされていたことでしょう。

特にムンビョルさんのソロ活動については前回から長い時間が空いただけに、多くのムムにとって非常に楽しく刺激的な期間であったことと思いますが、一方で今回の楽曲とその表現方法に懸念や指摘の声があったことも事実です。私自身も「果たしてこれはエンタメとして楽しんでよいものなのか?」と深く悩みました。

この記事では、コンセプトイメージが出てからプロモーション活動を終えるまでの間、タイトル曲"LUNATIC"に対して私が考えたことをまとめます。

当初はTwitterにツリーを立てて書き連ねる予定だったのですが、文章が組み立てづらいことやあまりに時間がかかってしまうことを鑑み、ブログとして残すことにしました。

大前提として、私は「精神疾患をエンタメとして消費する」ということに強い疑問を持っているので批判的な見方になりますが、本人への中傷や人格否定をするつもりは全くないので、万が一そう受け取れるような表現があればご指摘いただけると嬉しいです。

 

精神疾患を消費することの是非

そもそもなぜ精神疾患をエンタメとして消費してはいけないのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。同じ「表現」に関する話題のうち、フェミニズムやLGBTQ+のトピックに比べるとそれほど議論が深まっていないこともあり、私も正直まだこれを自分の正式な意見表明として確定させていいのか少し迷う部分もあるのですが、私個人の考えとしてご覧いただければ幸いです。

うつや統合失調症などの精神疾患は、誰もがかかる可能性のある病気であるにもかかわらず、未だ強い偏見にさらされています。「なんとなく怖い・不気味・攻撃的」といったイメージや、反対に「甘え・気のせい」といった無理解により、病気や患者に対して正しい認識を持つ人が少ないのが現状です。こうした社会の中で表象として精神疾患を描く行為は、さらなる誤った認識の流布や病気自体への軽視を招きかねないことで、非常に慎重にならなければいけないと考えています。

また、精神疾患当事者にとって、病気は長く付き合っていかなければいけないものです。一生をかけて治療する人も多くいます。そうした人たちの存在を無視し、精神疾患の実態を知らないまま「エンタメとして描かれた精神疾患を楽しむ」ことは、私にはできません。それが楽曲/MVという非常に短いコンテンツであれば尚更のことです。たった3〜4分の間で、一切の誤解なく精神疾患を描ききることは不可能だからです。

これは「私が不快になるから」「私が傷つくから」といった個人の感情に基づく指摘ではありません。安全な立場から精神疾患を表す表象を楽しみ、問題から目を逸らすことは、蔓延る差別や偏見を延命する行為に他ならないのではないでしょうか。

 

"lunatic"という言葉の意味

lunatic

1 (侮蔑的)大ばか者,変人;(やや古)精神障害者
2《法律》(法律上の責任を問われない)心神喪失

━━[形]狂気の,精神障害の;常軌を逸した
 語源[原義は「月に影響された」]

(引用元:小学館 プログレッシブ英和中辞典)

今回のカムバックが各所から指摘を受けるきっかけとなったのが、"LUNATIC"という楽曲タイトルの発表でした。

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引用の通り、"lunatic"は精神障害者を表す言葉で、侮蔑的・差別的なニュアンスを含む表現です。日本語で言うと"気違い"(※ここではあえて書きますが非常に差別的な表現です)に近いでしょうか。

楽曲"LUNATIC"は、恋するあまり自分をコントロールできない状態を描いた曲だと思われます。「私どうしちゃったんだろう(내가 왜 이러는 걸까)」「あなたにだけ怒ってしまう(너한테만 화를 내는)」という歌詞からも、恋人への感情がアップダウンし相手を傷つけてしまう情緒不安定な主人公の姿が目に浮かびます。

しかし、その状態を"lunatic"という言葉で表現することは本当に適切でしょうか。いわゆる「恋わずらい」や「恋の病」を表す言葉は他にもありますから、あえて人の尊厳を貶める侮蔑的な表現を選ぶ必要はないはずです。

ではなぜそんな言葉がタイトルに選ばれてしまったのかという話なのですが、ファンであれば(もしかするとファンでなくとも)容易く想像がつくと思います。

"lunatic"の語源はラテン語の"luna"、「月」を表す言葉です。彼女は芸名であるMoonbyulに由来し、月にまつわる作品や表現をこれまでにも多く発表してきました。楽曲"LUNATIC"は、主人公と恋人の関係を狂人(lunatic)と月に見立てたストーリーであるだけでなく、芸名Moonbyulとの親和性まで含んでいるのでしょう。

また、"미쳤다"や"crazy"など、魅力的な相手に対して熱狂する意味合いを含む別の言葉からも発想を得たかもしれません。日本語でもアイドルやコンテンツなどを褒める文脈で「狂う」という言葉がよく使われますが、そうした言葉たちと"lunatic"は「人の尊厳を傷つける意味を持つか」という決定的な違いがあり、明らかに侮辱的なニュアンスの"lunatic"を楽曲のタイトルとして採用したことはやはり良くなかったと言わざるを得ません。

 

MVの解釈と問題点

楽曲タイトルからビジュアルフィルム、続けてティザーポスターと予告が次々に公開され、楽しみな気持ちと同時に募らせていた不安が確信へと変わっていく中、無情にもあっという間に1月19日がやってきました。

ここでは"LUNATIC"のMVにおける「良かった点」と「良くなかった点」の2軸に分けて私の考えを書きます。

  1. 良かったところ

私が何よりも安堵したポイントとして、MV全体の構成がストーリー仕立てであるという点が挙げられます。

今回のようにMVに明確なストーリー性がある場合、精神を病んだ人という「役柄」をムンビョルさんが「台本に沿って演じている」ことが理解しやすく、精神疾患やそれに付随するもの(病室、病衣など)がMVを装飾するただの小道具として扱われているわけではないと捉えることができます。

大まかなストーリーは以下の通りです。事件が報道されるテレビから映像が切り替わり、病衣のような服を着た人物が手術室ではっと目を覚まします。記憶をなくしている様子から事件の関係者なのだろうという想像を視聴者に持たせますが、何かを決意したように走り出し、病院の中を逃げ回った挙句に窓から飛び降ります。

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落ちた先は病室のベッドの上で、おそらく全てはこの人物の空想なのでしょう。さっきまで彼女を追いかけ回していた相手(バックダンサー)と一緒に明るい表情でダンスを踊ります。

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場面は一転して、事件現場を覗き込んでいたフーディーの人物や取調室のような場所で考え込む人物が現れ、さらに救急車の前で踊るムンビョルさんが登場します(個人的にこれは群舞を見せるためのものでストーリーには関係のないシーンだと捉えています)。

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そして大サビ前、「I am not a Lunatic!(私は狂ってない)」「PLEASE DON'T HATE ME(私を嫌いにならないで)」「I can't control myself(自分を制御できない)」などという台詞が大量に羅列された壁紙を破ると、"LUNATIC"という赤い文字が出てきました。これは、恋心に振り回されて苦しむ彼女が「狂っている」と表現されることを拒否しているものの、その実態はまさに「LUNATIC」そのものであるいうことを表していると考えられます。

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自分が"狂っている"という事実を突きつけられた彼女はその部屋から逃げ出すも、転んで道に倒れ込んでしまいます。セルカを1枚撮ると気を失いますが、その現場がまさに冒頭の事件現場でした。バリケードテープの中を覗き込んでいたフーディーの人物は、恋に狂った自分を客観視するもう1人の自分だったのでしょうか。彼女は野次馬とともに踊り出し、終幕を迎えます。

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カムバック当日の0時に公開されたシナリオの中では、主人公は車の中で寝かされ、どうやら介抱されているようです。ナレーション下の「赤い光」という記述から、その車は救急車であることがわかります。この文章は、おそらくMVのラストシーンで踊る主人公の背後で同時に起こっている別の場面です。この後彼女は病院に運び込まれ、手術室で1人目を覚ますのでしょう。

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わかりやすい起承転結があるわけではなく、時系列も前後していますが、このMVが何らかのストーリーに沿って組み立てられていることは明白だと思います。それが読み取れたことは、私にとって大きな救いになりました。精神疾患にまつわる表象をMVの演出として選んだことに、明確な理由があったと解釈できたからです。

私が最も恐れていたのは、「精神疾患をデフォルメした表象が文脈なく現れること」でした。"LUNATIC"というタイトルからして、精神の不安定さを表現するシーンや振付、表情などがMVに散りばめられることは想像に難くなく、それが「どのような文脈をもって映像に現れるか」がこの作品における最大のポイントだと考えていました。

問題の性質は少し異なりますが、例えばIZ*ONEの"Secret Story of the Swan"は、カムバック直前に公開されたティザーの中でメンバーの1人がヒンドゥー教のビンディーを思わせる宝石を額につけていたことから大きな批判を浴び、MVの一部シーンを差し替えることになりました。ビンディーは原則として既婚、かつ夫が存命のヒンドゥー教徒の女性がつけるもので、単なる装飾品ではありません。現代では宗教的な意味が薄れファッションとして楽しむ女性が多いようですが、宗教に基づく文化であることは確かであり、その文脈を無視してただのアクセサリーのように扱うことは文化の盗用だと考えます。

今回私が危惧していたのは上記の例のように、精神疾患を表すコードが単なる装飾品として扱われることでしたが、描かれていたのは"精神的に不安定な人物"という「役柄」であり、病室のセットや不健康なメイクなどは役柄に現実味を持たせるための舞台装置であると感じました。

この演出に全く問題がないとは思っていませんが、少なくともこの構成が与えた楽曲への印象の変化は大きいものでした。

2.良くなかったところ

続いて良くないと感じた部分をまとめますが、ここではさらに2つの要素に分けて書き記します。

精神疾患ステレオタイプを強化している

MV前半、目を覚ました主人公が何かを思い出そうとする場面で、爪を噛むシーンが出てきます。一般に爪噛みは精神的ストレスを感じたときに現れる行為です。

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また、逃げ出した主人公の目の前に浮遊する羽が現れます。チカチカとその姿がブレていることから羽は主人公にだけ見えている幻覚だと思われますが、その動きに導かれるように、彼女は窓の外へ落下してしまいます。幻覚は統合失調症などの病気に見られ、苦しむ人が多い症状です。

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これらの演技・演出は、先の項目で書いた「役柄に現実味を持たせるための舞台装置」のひとつであるとも言えます。しかし、ただでさえ偏見にさらされている精神疾患の症状をピックアップして演出に使用することは、さらなる誤解を生むことに繋がりかねません。さらに窓から落下するという演出は飛び降りをイメージさせ、うつ病の症状である希死念慮をもステレオタイプ化していると感じられます。

③特定のMBTIをデフォルメしている

ラップ詞にも登場するジキルとハイドのように、ムンビョルさん演じる主人公の中には2つの人格があると考えられます。「混乱するMBTI(헷갈리는 MBTI)」「1日の間でまた変わった EからIに(하루 새 또 바뀐 E에서 I)」という歌詞から想像するに、冒頭で事件現場を覗き込み不適な笑みを浮かべる人格をE(外向的性格)、病室で目を覚まし何かを思い出そうとする人格をI(内向的性格)と表しているのではないでしょうか。曲の後半ではラップを通して自らの感情をまくし立てるE人格が好戦的で活発な印象を与える一方、病室のシーンを思わせる白い衣装を身につけ髪も乱れたI人格はたった1人の部屋でカメラに向かって何かを訴えますが、誰かに届いている様子はない=自分自身と向き合っているようです。社交的で意識が外に向きやすいE・内省的で意識が内に向きやすいIというMBTIの一般的なイメージと合致します。

しかし、MBTIという性格診断には以前から問題点が指摘されています。再試験によってしばしば診断結果が変動するという信頼性への疑問や、バイアスのかかりやすい二項対立によって人間の性格をたった16パターンに当てはめてしまうことの危険性などが挙げられますが、何より重大なのは、それぞれのMBTIをデフォルメし「このMBTIに分類される人間はこんな行動をする」という固定観念を強固にしてしまうことです。自分の大まかな性格の傾向を掴むために使用する分には有用なMBTI診断ですが、特定のMBTIをポジティブ/ネガティブなものとして断定する記事や文章は世に多く出回っており、これを安易に信用することはとても危険です。

今回のMVにおいては、主にIの内向的性格が精神的な不安定さに結びつけられていると解釈できます。また、EからI、IからEへと絶え間なく移り変わるという表現は、つまり「E=〇〇な性格」「I=△△な性格」と分類していることになります。ムンビョルさん本人もMBTI診断を好んでおり、流行のひとつを取り入れたとも捉えられますが、人のパーソナリティとは本来多種多様なものであり、特に精神疾患と繋げた表現には慎重になるべきではないでしょうか。

 

おわりに

私はママムというチームの大ファンであり、メンバー4人それぞれの大ファンでもあります。ムンビョルさんのソロカムバックは約2年もの間待ち焦がれただけに、100%純粋な嬉しさをもって受け止められなかったことがとても悲しく、このような文章を世に出すことも彼女の活動に水を差す行為ではないかと何度も躊躇しましたが、自分の考えたことの備忘録ならびにこの作品に関する議論の種として、ブログという形で残すことにしました。

彼女が他人を貶めようとする人ではないとわかっているからこそ、こうした選択がなされ、かつ周囲の誰もストップをかけなかったことが残念でなりません。しかし、1週間という短いプロモーション期間ながらムムを楽しませようと様々な形でアプローチしてくれたムンビョルさんに対しては感謝の念でいっぱいですし、ムンビョルというソロアーティストとしてマイルストーンとなった作品であることには間違いないと感じています。てかマジで曲自体は本当にめっちゃ好きです。

この記事を書き上げるまでに約1週間を要した上、まだまだ書き足りないような気がしています(振付についても書きたかった……)。ここまで読んでくださった方がもしいらっしゃれば、皆さんのご意見をDMでもリプライでもたくさんいただけたら嬉しいです。

ムムという幸せ

今回のソロカムバックに寄せて、今日はMAMAMOO、そしてファサのファンになった経緯を書きたいと思います。

忘れてしまう前にいつかちゃんと書き起こそうと思っていたのですが、なかなか機会がなく。

このブログ自体は主に別界隈の話題が多いので、読んでくださった方は私/私の推しともに誰???という感じだと思いますが、適度に補足を入れながら書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 

2019年11月、私は非常に焦っていました。

 

当時ゴリゴリに推していた日本のガールズグループがなんだか不穏な動きをしている。

今までの曲全部やります!というコンセプトのツアーに、別れや新生活の始まりを歌ったシングルの発売。2020年の予定がまっさらのままのスケジュール。だんだん更新の頻度が落ちていくSNS

 

えっ………解散しないよね?

大丈夫だよね………?

 

毎日過去のイベント映像を眺めては涙を流す日々が続きました。

 

ある日いつものようにYouTubeを開くと、ある映像がトップにサジェストされていました。

みなさまご存知、MAMAMOO - HIPのMVです。

 

[MV] ママム(MAMAMOO) - HIP

 

MAMAMOO?なんか名前だけ聞いたことあるな〜ベテランのグループだよね?と一度はスルーしたのですが、なんか何度も出てくる。

今思うと急上昇コンテンツだったからですね。

 

普段K-POPはTWICEとIZ*ONEくらいしか聴かないけど、ちょっと見てみるか〜。という気持ちで、なんとなく動画を開きました。

 

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───えっ

───何

───この爆裂に綺麗な人は誰?

 

映像が進むにつれ、この人から目が離せなくなりました。

Googleで「MAMAMOO メンバー」と検索。4人組らしい。この人ファサっていうんだ……へえ〜最年少……最年少!?どういうこと?説明して。てかファサさんのインパクト強すぎてあんまり聴いてなかったけど曲良すぎ─────

 

そこからは怒涛でした。

 

まずメンバー紹介動画を血眼で探し、ファサ以外のメンバーがどんな人なのか、どういった関係性なのかをチェック(関係性のオタクにつき)。どうやらフィインさんという人と幼馴染で同い年らしい。お揃いのタトゥー……オタクの二次創作とかではない?現実なんだ……へ〜。ソラさんとムンビョルさんがオンニラインで仲良し。太陽と月って何?オタクの妄想じゃなくて?ムンサン……何?色々了解です。

 

そして関連コンテンツを見漁る。伝説のHIPリレーダンスは再生回数の1/3くらい私なんじゃないかというくらい見たし、YouTubeで見られるHIPのステージも全て見ました。なんかソラさんって表情コロコロ変わってかわいい人だな……ムンビョルさんってマニッシュな雰囲気が似合っててめちゃめちゃかっこいいな……フィインさんって自分の見せ方を素晴らしく理解しててすごいな……ちょっと待って……推しがわからなくなっちゃった………………。

 

てか会いたい。3月に日本ツアーだって?とりあえず東京両部いっとくか……。(無事当選しましたが中止となってしまいました)

 

ここまでだいたい1ヶ月ほど。

体感的には3秒くらいだったのだけど、時系列を確認すると意外に長かった。

ただ、このあたりまでは単純に「MAMAMOOっていうグループめっちゃ良い!ハマった!」くらいの感覚で、自分がこのグループのオタクをするというイメージはなく。

 

その気持ちを一気に覆されたのがこのステージでした。

 

[MAMAMOO - Decalcomanie] Comeback Stage | M COUNTDOWN 161110 EP.500

 

私は幼い頃から男性装、特にスーツやタキシードといったクラシカルなファッションに憧れていました。

女性の体かつ身長も高くない私には似合わないと諦めていたその服たちを、私と同じような背格好の人たちが、男装ではなく「アイドルの衣装として」着こなし、笑顔で歌い踊っている。

 

衝撃なのか感動なのか羨望なのか、感情がぐちゃぐちゃのまま涙が止まらず、「とんでもないグループを好きになってしまった」とツイートしたことを覚えています。ちなみにそのアカウントは後日消したんだけど今めちゃくちゃ後悔しています。オタクとして坂を転げ落ちていった様子が記録されているアカウントは残しましょう。本日の教訓です。

 

その日に日本FCに入会し、ムボンもしっかり注文。

私のムムとしての歩みがやっとスタートしました。

 

推しが決まらない日々を3ヶ月以上にわたって過ごしましたが、「この時代の美しさの基準に私がそぐわないなら、私が新しい基準になる」というファサの有名な言葉に心を突き動かされ無事にファサペンへと落ち着きました。

 

ママムはハイレベルなステージパフォーマンスが人気のグループであり、もちろん私も4人の高い歌唱力や表現力を何より愛していますが、私がママムを好きな理由はこうした部分にもあります。

 

リーダーであるソラは、自身のYouTubeチャンネルで世界女性割礼禁止の日を取り上げ、女性割礼の悲惨さを伝えました。ムンビョルは「音楽のジャンルを性別で判断したくない」という発言やマニッシュなステージ衣装を身につける姿で「性別の壁を破ったアイドル」を表現しています。フィインはソロ活動の中で同性間の恋愛や人種の多様性を描くなど、ダイバーシティに対して一貫した姿勢を示しています。

 

メンバー全員がフェミニズムや反差別と密接な関係を持ち楽曲や言葉でそれを明確に表現してくれることは、いつも私を勇気づけ、温めてくれます。ママムというグループがくれるものの大きさに感激するばかりです。

 

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ところで私は生粋の女性アイドルオタクですが、あえて俗っぽい言い方をすると、ファサは全く"タイプ"ではありませんでした。

 

私がこれまでに推してきたアイドルはきゅるきゅるの二重瞼とぷりぷりの白い肌、かつグループ内で最年長またはリーダーの役割を担っている人ばかりでした。この要素だけでもファサとは正反対のタイプが「好み」であることがわかりますね。恥ずかしいことです。

 

小麦色の肌に特徴的なアイライン。胸元や太ももを大きくさらけ出したステージ衣装。ソウルフルな歌声と飾らないすっぴんのお顔。私の知る「アイドル」とは全く異なる姿でした。アイドルってこんな風に振る舞っていいんだ!という当たり前なのに当たり前ではない(ということにされている)ことを、ファサのいでたち全てから気付かされました。

正面からもろに衝撃波を食らい、転がるように未知の世界へ飲み込まれていきましたが、あのアドレナリンが耳から噴き出すような感覚は一生忘れられないと思います。

 

全てが衝撃的で刺激的なファサという歌手に出会い、愛し、時に直接言葉を交わすことができている事実に深く深く感謝です。

 

私はファサ、そしてママムを好きになった自分のことが誇らしい。明らかに他とは異なる存在であるかれらを排除せず受容し、知れば知るほど好きになれる自分のことを、ムムになる前よりも絶対に愛している自信があります。

 

ちなみに冒頭で触れた日本の推しグループは残念ながらその後活動を終了してしまいましたが、ママムは決してその代替や気休めではなく、全く別の大きな愛としてしっかりと私の心に食い込んでいます。

 

なんだか真面目なのかそうじゃないのかわからない冗長な文章になり恐縮です。

何はともかくママム大好き!!!というお話でした。

 

これを書き始めたのはファサのソロカムバックの少し前なのですが、もはやムンビョルのソロプロジェクトが動き出していて時の流れと自分の遅筆をしみじみ感じております。

 

今後もママムやそれぞれのソロ活動から目が離せませんね。

 

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마마무 사랑하누❤️

デビュー10周年に寄せて

ステージに立つメンバー、そしてたくさんのファンとともに武道館で迎えられると思っていたこの日、なぜかグループは活動していないし、なぜか2回目のワクチン接種でヘロヘロになりながら自宅に篭っておりますが、取り急ぎ………

 

Fairies、10回目のお誕生日おめでとう!!!

 

ついにこの日が来てしまったかとなんだか惜しいような気もしつつ、とにかく7人がデビューしてくれたことにただ「ありがとう」の気持ちです。

 

日本・アジアの音楽業界はこの10年間でずいぶん変化したように思います。

今から3年前くらいにデビューしてくれていたら、このアイドルブームに乗ってもっと有名になってたのかな〜と考えたりしますが、まあ10年前もアイドル戦国時代とか言われてたし野暮ですね。

 

Fairiesに出会って、推しに出会って、私の人生は大きく変わりました。

同じCD何枚も買うの?なんで??とか言ってた私、マジでどっか行った。

いつの間にかガールズグループばかり追うようになったし、未だに推しの面影を感じる子を探してしまうし、ただただFairiesと推しから受けた影響の大きさを感じて照れる。

 

10年ってすさまじい時間ですよ。赤ちゃんが小学生になる。てか高校生だった私が大学卒業してビジネスパーソンになってるし。人生じゃん。人生なんですよ、Fairiesは。

 

この10年間、辛いことも悔しいことも寂しいこともマジギレしたことも数えきれないくらいありますが、7人の妖精たちがFairiesとしてデビューしてくれたこと、出会わせてくれたことに感謝です。

 

かわいくてかっこよくて最強の妖精ちゃんたち、ありがとうね!いつまでも愛してるよ!

アイドルの歌割は本当に均等であるべきなのか問題

おい歌割均等厨どした?なんかあった?話聞こか?と心配してくれる方がいるのではと思うほど歌割の均等化を延々叫んできたオタクこと私ですが、最近ずっと考えているテーマなので思い切って文章にしてみます。

 

7人時代のフェアリーズは年上3人がいわゆるメイン・リードボーカルとしての役割を担い、年下4人がそれを支えるサブボーカルを担う構図でしたが、2013年以降はダブルセンター体制・その他のメンバーはコーラスのみ(メンバーによってはサビすら歌わない曲もあり)と、ご存知の通り異常なほど歌割格差のあるグループへ変貌していきました。

 

かつて堂々とAメロBメロを歌っていたはずの推しがどんどんパートを少なくされ、もはや公式ハモリ担当メンバーのような扱いを受けるようになっていくのが悲しくて悔しくて、少ないパートを楽しそうにパフォーマンスする推しを泣きながら応援したこと数知れず。

新曲を初めて聴く瞬間は、いつも緊張と不安に苦しめられていたように思います。そんな趣味ある?怖……。

 

最初からボーカル担当/パフォーマンス担当と切り分けられてデビューしたグループであるならともかく(そもそもそういうグループ構成はあんまり理解できないんですけどそれは置いといて)、フェアリーズは全員がセンターレベルに歌って踊れるグループを目指していたはずなのに……………………………………………。

 

じゃあ比較対象としていつも挙げているK-POPはどうなんだ?と言われると、こちらも「全員センター」を実現するグループは私の知る限りほぼないんですよね。

 

K-POP女性アイドルグループとして人気のTWICEを例に挙げると、「ボーカル」「ラッパー」「ダンサー」の役割がメンバー9人に割り振られ、さらに「メイン」「リード」「サブ」と細分化されていて、表題曲のパート割合もそれぞれの役割に合わせた配分になっていることがほとんど。

 

私がこよなく愛するMAMAMOOは全員ボーカルの才能を持つグループとして有名ですが、メイン/リード/サブの別はないものの、ボーカル/ラッパー/パフォーマンス(ダンサー)のうち1〜2つのポジションをそれぞれが担当する形となっています。

全員が歌えるグループながら、ボーカルがラップを担当することも、その逆にラッパーがサビやフェイクを歌うこともほぼありません。

というかつい最近のカムバックでも歌割の不均等さが話題に上ったばかりだし………ベテランの4人組グループですらこういうことが起こるわけです。

 

歌割の少ないメンバーにスポットライトが全く当たらないというわけではありません。

むしろメンバーそれぞれの得意分野を生かしたポジション構成を生かし、ダンス担当にはダンス担当の、ラップ担当にはラップ担当の見せ場が用意されているグループ・楽曲が非常に多く見られます。

ただ、やはりボーカル担当の分量が圧倒的に多くなる傾向はどのグループも共通で、だからこそ歌割が偏っていることに対する不満が噴出するんですね。

 

どんなグループにも目立つメンバーはいます。ビジュアルであったり、歌唱力であったり、キャラクターであったりとその要因は様々ですが、複数人でチームを組むことはメンバー同士を比較されることに直結するので、注目度のばらつきや実力差、それに伴って構成される歌割の不均等は個人的にある程度仕方のないことだと解釈しています。

 

しかし、目立つメンバーばかりをフィーチャーすることがグループにもたらす影響は、基本的にイメージダウンであると言っても過言ではないと思います。

2019年〜21年のK-POPガールズグループ界を席巻したIZ*ONEは、特に活動期間後半の楽曲における不均等な歌割がたびたび話題になりました。パートの多いメンバーへの中傷だけではなく、当該メンバーの所属事務所と運営がズブズブに繋がっているという批判を非常に多く目にしました。

 

歌唱力が優れているメンバーの歌割を増やすことが、楽曲全体の完成度を上げることに寄与することは否めません。そりゃみんな上手い歌聴きたいし、歌えない子に無理やり歌わせてわざわざ大衆の批判に晒したいファンは少ないと思います。

 

でも、アイドルに求めるものって必ずしも完成度だけじゃないんですよね。

たくさん練習して、こんな歌い方ができるようになった。前の楽曲よりも少し歌割が増えた。音域が広がった。メインボーカルのメンバーが歌ったパートと同じパートを2番で任された。

成長であったり、努力であったり、そういう「完璧の外側」にもファンは心を動かされるんですよ。

ビジュアル・歌・ダンス・アートワークまで全てに完璧を求める土壌が形成されているK-POPにおいても、やはりこのような需要はあると感じます。

 

ここまで色々理屈を並べてきたんですけど、要するにみんな自分の推しが活躍する姿を見たいわけじゃないですか。

必ずしも「注目されてほしい」という気持ちではなくとも、「推しの目標を叶えてあげたい」「努力が報われてほしい」みたいな気持ち、誰しも多少なりとはあるじゃないですか。

 

もちろん私にもあります。推しの歌声が本当に本当に大好きでした。世界中の人たちに推しの歌声を聴いてほしかったです。

てか今でもそうだが?推し〜!見てる〜?あなたの歌が大好きだよ〜!いつまでも待ってるからね〜!

 

タイトルの結論ですが、「歌割はある程度均等であるべき」です。

 

人間には得手不得手あるので、全部が全部均等である必要はないと思います。やっぱ大サビでメボのフェイク入ってくるとわ〜い様式美!成駒屋〜!ってなるし、歌が得意なメンバーにはたくさん歌わせてあげたいし。

 

ただ、チームで活動するということは、メンバーひとりひとりにファンがつくということ。センターのメンバーしか歌わないからといって、ファン全員がそのメンバー推しであるなどということは起こりません。たとえあるメンバーの歌割が3秒だったとしても、その3秒に良さを見出してファンになる人が絶対にいるわけです。

でもそれはつまり、そのメンバーの良さを感じ取れるチャンスが3秒しかないということなんですよね。

その時間が長ければ、もっとたくさんの人がその子の魅力に気づくことができるかもしれない。

 

あと歌割が異常に偏ってるグループを見るとシンプルに心配になるんですよね。たくさん歌わされてるメンバーのことも、全く歌割のないメンバーのことも。メンタル大丈夫かな、モチベーション保ててるかなって。そんな心配しながら推すの辛いじゃないですか。だから離れていっちゃうんだよ、みんな。

 

歌割を増やせばそのメンバーのファンが増える、という単純な話ではないですが、均等であればあるほど「メンバーひとりひとりに輝くチャンスを与えている」という印象は強まるんじゃないかと思います。

 

誰も幸せにならないカムバック、世界中でもう二度とありませんように。

 

ライジングくん、そのへんどんな感じ?

異性愛者向けビジネスの話

ボーイズグループに気になる存在ができました。

 

家族や友達や同僚や色んなところから「気は確かか?」「大丈夫?」「何か辛いことでもあった?」など反響をいただいておりますが、自分が一番驚いています。

 

Fairiesから始まり、IZ*ONEやMAMAMOO、最近ではPURPLE KISSなど、数多のガールズグループを応援し続けてきた10年。

大手のヨジャグルはカムバ毎にだいたいチェックしていたし、日本のグループも「かみこちゃんかわえ〜」くらいの理解度ではあるけどちょくちょく見ていたし、テレビ見てても気になるのは全部女子!女子アナ!女優!ヤバいこの人かわいい誰!?調べる!!という感じだったんだけど。

 

怖いな〜怖いな〜………

 

私の大好きな属性盛り込まれすぎてて実は私のために作られたバーチャルアイドルなのか?と思うほどなのですが、紛れもなく男性なんですよね。

 

異国情緒漂う目鼻立ちハッキリフェイスに筋肉質な体、最年長でリーダー、ボーカル担当。私をよくご存知の方は「いやお前の十年来の推しやないかい」と思われるかもしれないですが、

 

男性なんですよね………………………

 

怖いな〜怖いな〜………………………………

 

というわけで、男性の推しができそう(すでにCDはたくさん買いました)なのですが、

 

正直なことを言うと、

 

男性アイドルによる女性ファンへのサービス、怖………。と思っています。

 

アイドルに対して「好き」という感情を抱いているからといって、全員が全員疑似恋愛をしたいわけではないんですよね。

男性アイドルのファンが異性愛者の女性であるとは限らないし、その逆もまた然り。

男性/女性の別にハマらないアイドルファンだって世の中にはめちゃくちゃいると思うんですね。

 

で思うけど、男性アイドルの異性愛女性ファン向けサービス、すっげ〜〜〜〜くない?

 

もちろん「多くの人に支持される」即「アイドル」なので、おそらく多数派であろう異性愛女性のファンに向けて夢を見せようと努力してくれているのは伝わってくるし、太古の昔からアイドルとはそういう商売なわけだけど。

 

好きな(女性の)タイプを答える、くらいまでは「これを聞き出そうとするメディアキモすぎるな〜」くらいで済むんだけど、もうこれアイドル本人からガシガシにサービスしようとしとるな!?みたいな発言がまあまあ散見されるのね。

 

その"サービス"であるはずの発言の中に、家父長制意識や女性蔑視、ホモフォビアが非常にナチュラルな形で組み込まれることが多々あって、しかもそれを肯定的に捉えるメディアの多いこと。

 

言葉選ばず言うと、ファンサービスの内容が古いんだよ。

全体的に現代社会への解像度が低すぎる。

 

気になるちゃん(と便宜上呼びます)のビジュアルやパフォーマンスは大好きなんだけど、そういう細かい細かいことがジワジワとボディーブローのように効いてきているのが今メッチャ辛いです。

パフォーマンス含む言動の端々から血の滲むような努力を感じるからこそ、アイドルとしてのプロ意識の一環として「自分はアイドル→ファンは女の子→女の子を喜ばせなければ!」の式が本人の中に強く刻まれていることがハッキリと分かってしまって、これ結構根深いなと………。

 

常軌を逸した時代遅れ発言とかは「これは本人の発言じゃない、誰かが書いた台本を読み上げてるだけだ」と言い聞かせることでやり過ごしてるけど、それもそれでおかしいだろ。事務所が事前にチェックしてるよな?そのチェックに本当に意味があるのか?怪文書が出ちゃってるのよ、世に。しかもたくさん。

 

女性アイドルを推しているときにはほとんど感じなかった苦悩をビシバシと感じてる。男性アイドルを推すにあたってこんな洗礼があるとは知らなかった。

 

まあ異性愛男性ファン向けのサービスが一線越えてる女性アイドルのケースも多数知ってるので(ラップ越しキスとか)、私がたまたまそうしたアイドルを好きになってこなかっただけなのかもしれないけど………。

 

今後ちゃんと推していけるのか不安すぎて、今も気になるちゃんは気になるちゃんのままです。

 

でも顔が良いんだよな〜〜〜。

祝・生存確認

少し前になりますが推しがInstagramのアカウントを開設しました。

 

おそらくそのきっかけになったと思われる美容室さんのストーリーがあったのですが(推しが動いてた)、自分でもそんなに?と思うほど大声で叫んでのたうち回って大変でした。普通に仕事中だったんだけど多分オフィスでも同じ反応しちゃってたと思うからたまたまリモートワークで良かったね。

 

暴れすぎてちょっと筋肉痛になったもんな。日頃の運動不足が祟りました。

 

推しの顔を最後に見てから約1年。直接見た日から数えたら約1年半。一度芸能界を引退したらもう姿を見せてくれることはないだろうな、と勝手に覚悟を決めていただけに、今こうして顔を見られて、声を聞けて、本当に本当に嬉しいです。

 

引退の発表があってから、推しが芸能活動をしていないことへの悲しみと「なんでこんなことになってしまったんだろう」という思いに毎日苛まれて思考の堂々巡りが止まらず、とにかくずっと苦しんできたけど、

 

光明〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!

 

明らかにプライベートのアカウントだけど。

更新頻度はきっと高くないだろうけど、

書いてある通り食べ物ばかりの投稿になっても、

それでも、うれしいよお(泣)

 

推しを推してる全宇宙の皆さんたち、

ウチらよく我慢したね(泣)

 

長いオタク人生の中で、ここまで心から推しに「生きていてくれてありがとう」と思ったこともないと思う。

 

推し、

 

生まれてきてくれて、

ダンスを始めてくれて、

Fairiesとしてデビューしてくれて、

8年という長い間活動してくれて、

今も生きていてくれて、

かわいいお顔をまた見せてくれて、

 

ありがとう!!!!!!!

 

もうここ数日は推しに対してこの言葉しか出てこないんだけど、死ぬ間際?

ひとにはひとの 推し解釈

例のYouTube限定ユニットについて、気持ちの整理のために書きます。

 

私はそもそも歌って踊る推したちを好きになって、ということはまた歌って踊ってくれることはとても喜ばしいことのはずで、確かに元のグループがもう活動しないことを突きつけられるようで悲しかったり寂しかったりはするけれども、それでも彼女の新しい道として応援していかなきゃな、と、「チャンネル登録するといいことがあるよ」の時点からMV公開までの短い間でなんとか感情を落ち着けていたはずだったのですが。

 

ま〜〜〜〜〜感情なんてそんなうまいこと作動してくれんわな。

 

見たよ。MV。

チャラチャラしたアイドルグループだったら即ブロするから!とか威勢よく言ってた割には(最低発言をお詫び申し上げます)、全然躊躇なく再生したよ。

 

でももうAメロ歌い出しが彼女だった時点で爆発してしまった。

 

フェアリーズ時代はろくにパートを与えられず、良くてサビのユニゾン、運がいいと他のメンバーのハモリ、ソロパートのある曲なんて数えるばかり(そもそもフェアリーズの持ち曲自体数えるばかりなのですが)だった彼女が、すっげ〜歌ってんだもん。

もう単純に脳が混乱した。

 

歌割が増えたことは、いいことなのかな。彼女にとっては。

本人が嬉しいなら嬉しいけど。嬉しいけどよ〜。

 

初見で個性を全く感じられないメンバーたちと、最近流行りのサウンドに合わせて揃わないダンスをしている姿を見て、率直に思ったのは「フェアリーズに会いたい」だったんだよ。

 

本人が決めた道を応援しろ?

自分の中にしかない「推し」像を押し付けるな?

また歌って踊ることを期待してたんだろ?

本人のやりたいことを邪魔するな?

やりたいことをやりたいようにさせろ?

 

いや、ほんとにぐうの音も出んほどわかる。

 

ほんまそれな。

 

そうなんだけどさ。

 

そもそもフェアリーズの活動終了を1年かかっても全く受け入れられていないわけで、全然普通に「フェアリーズの新曲まだかな?」とか毎日無意識に思ってるんですよ。

そんな中でこういう活動が開始されて。

 

推しには推しのやりたいことをたくさんやってほしい、推しのいろんな姿が見たい、推しに幸せになってほしい、という気持ちと「フェアリーズに会いたい」って気持ちが共存したらあかんのか?

 

私はあかんくないと思います。

 

これを本人やファンにぶつけ始めたらもうそれは暴力になり得ると思うし、先述の通り普通に頑張ってほしいという思いももちろんあるので「今すぐやめろ!!!」とか叫んで暴れるつもりも毛頭ないけども、

 

とんでもなくでっかい感情を持って応援する「推し」という趣味を持っている以上、「現実の推し」と「自分の中の推し」に乖離が発生するのは避けられないことで、かつそれは誰にも責められるべきことではないと思っています。

 

唇を噛みしめ血を流しながら、解釈違いを乗り越えていかなきゃいけないんだろうなあ。

 

まあクソ事務所のおかげで公式との解釈違いには慣れてるので、この感情は自分でなんとかします。

 

一旦終わりです。