アイドルの歌割は本当に均等であるべきなのか問題

おい歌割均等厨どした?なんかあった?話聞こか?と心配してくれる方がいるのではと思うほど歌割の均等化を延々叫んできたオタクこと私ですが、最近ずっと考えているテーマなので思い切って文章にしてみます。

 

7人時代のフェアリーズは年上3人がいわゆるメイン・リードボーカルとしての役割を担い、年下4人がそれを支えるサブボーカルを担う構図でしたが、2013年以降はダブルセンター体制・その他のメンバーはコーラスのみ(メンバーによってはサビすら歌わない曲もあり)と、ご存知の通り異常なほど歌割格差のあるグループへ変貌していきました。

 

かつて堂々とAメロBメロを歌っていたはずの推しがどんどんパートを少なくされ、もはや公式ハモリ担当メンバーのような扱いを受けるようになっていくのが悲しくて悔しくて、少ないパートを楽しそうにパフォーマンスする推しを泣きながら応援したこと数知れず。

新曲を初めて聴く瞬間は、いつも緊張と不安に苦しめられていたように思います。そんな趣味ある?怖……。

 

最初からボーカル担当/パフォーマンス担当と切り分けられてデビューしたグループであるならともかく(そもそもそういうグループ構成はあんまり理解できないんですけどそれは置いといて)、フェアリーズは全員がセンターレベルに歌って踊れるグループを目指していたはずなのに……………………………………………。

 

じゃあ比較対象としていつも挙げているK-POPはどうなんだ?と言われると、こちらも「全員センター」を実現するグループは私の知る限りほぼないんですよね。

 

K-POP女性アイドルグループとして人気のTWICEを例に挙げると、「ボーカル」「ラッパー」「ダンサー」の役割がメンバー9人に割り振られ、さらに「メイン」「リード」「サブ」と細分化されていて、表題曲のパート割合もそれぞれの役割に合わせた配分になっていることがほとんど。

 

私がこよなく愛するMAMAMOOは全員ボーカルの才能を持つグループとして有名ですが、メイン/リード/サブの別はないものの、ボーカル/ラッパー/パフォーマンス(ダンサー)のうち1〜2つのポジションをそれぞれが担当する形となっています。

全員が歌えるグループながら、ボーカルがラップを担当することも、その逆にラッパーがサビやフェイクを歌うこともほぼありません。

というかつい最近のカムバックでも歌割の不均等さが話題に上ったばかりだし………ベテランの4人組グループですらこういうことが起こるわけです。

 

歌割の少ないメンバーにスポットライトが全く当たらないというわけではありません。

むしろメンバーそれぞれの得意分野を生かしたポジション構成を生かし、ダンス担当にはダンス担当の、ラップ担当にはラップ担当の見せ場が用意されているグループ・楽曲が非常に多く見られます。

ただ、やはりボーカル担当の分量が圧倒的に多くなる傾向はどのグループも共通で、だからこそ歌割が偏っていることに対する不満が噴出するんですね。

 

どんなグループにも目立つメンバーはいます。ビジュアルであったり、歌唱力であったり、キャラクターであったりとその要因は様々ですが、複数人でチームを組むことはメンバー同士を比較されることに直結するので、注目度のばらつきや実力差、それに伴って構成される歌割の不均等は個人的にある程度仕方のないことだと解釈しています。

 

しかし、目立つメンバーばかりをフィーチャーすることがグループにもたらす影響は、基本的にイメージダウンであると言っても過言ではないと思います。

2019年〜21年のK-POPガールズグループ界を席巻したIZ*ONEは、特に活動期間後半の楽曲における不均等な歌割がたびたび話題になりました。パートの多いメンバーへの中傷だけではなく、当該メンバーの所属事務所と運営がズブズブに繋がっているという批判を非常に多く目にしました。

 

歌唱力が優れているメンバーの歌割を増やすことが、楽曲全体の完成度を上げることに寄与することは否めません。そりゃみんな上手い歌聴きたいし、歌えない子に無理やり歌わせてわざわざ大衆の批判に晒したいファンは少ないと思います。

 

でも、アイドルに求めるものって必ずしも完成度だけじゃないんですよね。

たくさん練習して、こんな歌い方ができるようになった。前の楽曲よりも少し歌割が増えた。音域が広がった。メインボーカルのメンバーが歌ったパートと同じパートを2番で任された。

成長であったり、努力であったり、そういう「完璧の外側」にもファンは心を動かされるんですよ。

ビジュアル・歌・ダンス・アートワークまで全てに完璧を求める土壌が形成されているK-POPにおいても、やはりこのような需要はあると感じます。

 

ここまで色々理屈を並べてきたんですけど、要するにみんな自分の推しが活躍する姿を見たいわけじゃないですか。

必ずしも「注目されてほしい」という気持ちではなくとも、「推しの目標を叶えてあげたい」「努力が報われてほしい」みたいな気持ち、誰しも多少なりとはあるじゃないですか。

 

もちろん私にもあります。推しの歌声が本当に本当に大好きでした。世界中の人たちに推しの歌声を聴いてほしかったです。

てか今でもそうだが?推し〜!見てる〜?あなたの歌が大好きだよ〜!いつまでも待ってるからね〜!

 

タイトルの結論ですが、「歌割はある程度均等であるべき」です。

 

人間には得手不得手あるので、全部が全部均等である必要はないと思います。やっぱ大サビでメボのフェイク入ってくるとわ〜い様式美!成駒屋〜!ってなるし、歌が得意なメンバーにはたくさん歌わせてあげたいし。

 

ただ、チームで活動するということは、メンバーひとりひとりにファンがつくということ。センターのメンバーしか歌わないからといって、ファン全員がそのメンバー推しであるなどということは起こりません。たとえあるメンバーの歌割が3秒だったとしても、その3秒に良さを見出してファンになる人が絶対にいるわけです。

でもそれはつまり、そのメンバーの良さを感じ取れるチャンスが3秒しかないということなんですよね。

その時間が長ければ、もっとたくさんの人がその子の魅力に気づくことができるかもしれない。

 

あと歌割が異常に偏ってるグループを見るとシンプルに心配になるんですよね。たくさん歌わされてるメンバーのことも、全く歌割のないメンバーのことも。メンタル大丈夫かな、モチベーション保ててるかなって。そんな心配しながら推すの辛いじゃないですか。だから離れていっちゃうんだよ、みんな。

 

歌割を増やせばそのメンバーのファンが増える、という単純な話ではないですが、均等であればあるほど「メンバーひとりひとりに輝くチャンスを与えている」という印象は強まるんじゃないかと思います。

 

誰も幸せにならないカムバック、世界中でもう二度とありませんように。

 

ライジングくん、そのへんどんな感じ?